働き方改革とデジタル変革(DX)とは

2020年6月に働き方改革とデジタル変革をテーマにした簡単なプレイブックを公開しました。コロナウィルスの影響で企業のIT活用/デジタル化が一段加速している昨今の情勢を踏まえて、中身の完成度よりもスピードを優先しているため、内容的に物足りない方もいらっしゃると思いますが、今後続々とアップデートを掛けていく予定なので、是非購読登録していただければ幸いです。


さて、そもそも働き方改革やデジタル変革 = DX(デジタルトランスフォーメーション)とは何なのか、この辺りをきちんと整理しておかないと、企業内での改善活動も片手落ちになりがちですので、本ブログにて弊社の考察をお伝えしたいと思います。


働き方改革の文脈でテレワーク導入が騒がれていますが、それは本質的ではないと思います。もちろんオフィスで働くことから在宅ワークに変わることは大きなインパクトではありますが、実はこれまでもやろうと思えばやれた内容でもあります。コロナ禍によってそのことが「やっぱりそうだった」と分かっただけとも言えます。


とはいえ「真の」とか「本物の」といった形容詞をつけると、少し語弊があり、2000年代からテクノロジーの進化スピードが加速度的に高まっており、とりわけ2019年頃からはグローバルでのテクノロジー活用予測が半年程度でガラッと様変わりするほどになっているので、あくまで「現時点の」という枕詞がすべてに付随してしまいますことをご容赦ください。以下、現時点の本質的な働き方改革、およびDXについて考察を述べたいと思います。

働き方改革とは、ジェネレーションZ世代の台頭と本格的なDXの普及に備えた企業構造改革の布石である

ジュネレーションZという言葉をご存知でしょうか。戦略コンサルティングのA.T.カーニーが発表した消費者世代の考え方で、ジェネレーションZはGAFAが物心ついたころから存在しており、情報はスマホ等でいつでも検索でき、SNSで即座に人と繋がれることが当たり前の世代を指します。


2000年始めにミレニアル世代の到来が叫ばれましたが、ジェネレーションZはミレニアル世代以上に既存の世代と思考様式・行動様式が大きく異なります。例えば平均的な集中力の持続時間は、ミレニアル世代が12秒であったのに対して、ジェネレーションZ世代は8秒に短縮されています。彼らはあらゆる物事が「事前定義された透明性の高いプロセスで構成されるサービス」として提供されていることを好み、自身も属人性の高い固有スキルを向上させることよりも、革新的で拡張性のあるサービスを構築することに高い興味を示します。

※ジェネレーションZの詳細についてはJETROの考察レポートが良く述べられています。

https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/2018/ec095202b7547790/ny201810.pdf


そのため、「テレワークにして今時の業務形態を取り入れたからこれでいいだろう」、という短絡的な考えでは上手く行かないケースが今後多発するのではないかと予想しています。彼らが求めているのはサービスであり、単なるオンライン化では済まないからです。例えば業務環境なども「在宅ワークの場合はこういう業務の進め方になり、給与水準はxxになります、オフィスワークの場合はxxxになります。一日単位で選択することも可能です。その場合はxxの申請プロセスを実施してください」といった多様なサービスが選択できる状態が最も好まれるでしょう。


このような業務のサービス化は、人材リソースが最も価値を生み出す活動に集中しやすくなるため、ジェネレーションZだけでなく全世代の生産性を高めることに繋がるでしょう。しかし一方で従来の業務改善とは一線を画す難しさも内包しています。もちろんどこまでの範囲をサービス化するかといった線引や、あるいはサービスを改良する際に業務サービス間の依存関係を常にチェックしておく必要などがありますが、いまのテクノロジーレベルを鑑みれば、そういった問題点はそれほど難しくなくクリアできそうです。最大の難しさは既存の従業員の従来の考え方・行動様式を如何に変化させるかにあります。そのため、働き方改革は単なるBPRやツール導入だけではなく、組織構成や予算編成・給与体系なども絡めた経営戦略として推進することが必要不可欠です。



DXこそが働き方改革などによる業務サービス化の極致

働き方改革により業務のサービス化を進めていくと、「あれ?この業務の仕組みは他社でも使えるのではないか?」「この業務は正社員でなくてもできるのではないか?」「同類のサービスを他社が販売していて、そっちに乗り換えた方が良さそうだ」「このサービスと他社の分析サービスを組み合わせるともっと面白いことができそうだ」など、様々な事に気づきはじめるものと予想しています。実はこういった取り組みはこれまでソフトウェア会社やシステムインテグレーター等が行ってきたものとほぼ同様のものです。これまではそういった企業がIT導入サービスを提供してきましたが、IT/デジタルの民主化とでも言えば良いのでしょうか、ユーザ企業自身が自社で構築した業務サービスや、様々なクラウドサービスを組み合わせることで、自助努力の範囲内で、自社の業務構造をデジタル化できる時代に入ろうとしています。


実際に弊社内ではGoogle社が提供するGSUITE基盤を中心としてその他いくつかの安価なクラウドサービスを組み合わせることで、一昔前の超高価なパッケージシステムに匹敵する業務サービスを実現しています。かつそれらのサービスはいつでも自由に自社内で修正・改善が出来る状態を維持しています。こういった取り組みは今後拡がっていくのではないかと考えています。


ではそのようなIT/デジタルの民主化が起こると何が変わるのか、というと最早何もかもが変わっていくのではないかと考えます。ユーザ企業自身がIT/デジタルに精通することで、業界の商習慣、労使の考え方そのものの変化、ITスタートアップ台頭の加速、新たなITプラットフォーマーの誕生などが起こりえます。そして、それらの変化がさらにもたらすものは、各ビジネス市場の構造変化、ビジネスモデルそのもの価値の考え方の変化、ヒト・モノ・カネといったビジネスモデルを支える資本に対する考え方、はたまたデジタル通貨のさらなる躍進など、つまるところ産業構造自体の変化を誘発していきます。


荒唐無稽な話のように思われる方も多くいらっしゃると思いますが、現に世界的なシェアを獲得している先進大企業の間では、そこまでを見通して経営戦略を策定し、さらに一歩先ゆく具体的なアクションまで落とし込んでいる企業も存在します。そしてそれらの企業は圧倒的な成長を遂げています。


加えて、実はこれまで日本の歴史においても、構造変化は起こっています。708年の和同開珎による通貨流通、1200年頃の外国貿易の隆盛、1600年頃の織田信長や豊臣秀吉による商業の自由化、そして1850年頃の明治維新などです。1995年頃から提唱されていたインターネット普及に伴うIT革命はそれ自体も多大な影響を及ぼしていますが、本当の構造変化は2020年代にてDXの文脈においてより身近に具象化してくるのではないかと考えています。



経済構造変化が起こる周期はどんどん早まっており、そのインパクトの破壊力も増していっています。世界有数の戦略コンサルティング企業であるMcKinsey社は、全世界での市場環境変化を調査した結果、総じて市場参加企業の40%が本格的にデジタル化に踏み切ると、恐ろしいスピードで市場構造が変化すると分析しています。コンサルティング企業が断定的な数値を公表することは珍しく、これでも相当優しい見積りなのだろうと予測すると、今後数年で多くの企業が”デジタル化待ったなし”になる可能性はかなり高いものと推察します。


やや大仰な話に派生しましたが、なぜ働き方改革がDXの布石になるか、という元々のテーマに立ち戻ると、上述の考察から各社の働き方改革の取り組みが市場の構造変化を生み出す機運に大きな影響を及ぼしていると考えられ、その中で成功裏にデジタル化を推進し新たなビジネス変化をリードしている企業と比して、単なるテレワーク導入や何らかのツール導入だけを行っている企業は、これからのビジネスの流れに乗り遅れる恐れがあるためです。


ぜひ、働き方改革をこれからの時代に適応し生存していくための第一歩であるとして認知していただいて、経営レベルからの点検・見直しを含めた本格的な検討を進めていただくことを切に願っております。


これらの活動を自社内で実施する上での簡単なプレイブックを無料公開しております。

https://www.factsense.co.jp/insights

弊社ではデジタル化を推進するあらゆる規模の企業様に対して、戦略策定のみならず、企画、運用や、IT人材育成まで幅広い範囲でのサービスをリーズナブルに提供しております。


また弊社へのサービス提供依頼だけでなく簡単な相談まで幅広く受け付けております。 ご用命の方は下記ページよりお気軽にご連絡いただけますと幸甚でございます。

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